あくまで対等
不快な質問には抗議も必要

(3)あくまで「対等な情報交換の場」と思って臨む

「相手は自分を不採用にする権限を持った人だから、とにかく失礼のないように…」
「面接官の機嫌を損ねたら終わりだから、言われたことをすべて受け止める気持ちでいこう」
「なんだか怖そうな人だな、できるだけ愛想よくしておこう」

 もし、こんな心境で面接に臨んでいるのだとしたら、もう少しリラックスしましょう。採用面接は、たしかに企業側に採用権があるので見方によっては「強い立場」であると定義することができます。ただ、あなたに人材として素晴らしい価値があり、競合他社に行ってしまわれると困ると相手が感じれば、この立場は逆になるとも言えるのです。

 つまり、採用面接は「対等な立場で情報交換を行い、戦力になるか否かをお互いに見極める場」であることを再認識してください。企業側が強いと思い込んでしまうと、面接を受けに行っている側は萎縮し過ぎてしまい、面接でうまくアピールできなくなってしまうかもしれません。

 面接という場まで行ってしまったのなら、腹をくくって自信を持って話すしかありません。自分自身がブレーキになってしまっては元も子もないのです。

 また、残念なことに「採用側が強い」と思い込んでいて、面接で横柄な態度をとる企業側の面接官がいるのも事実です。これは、とんでもない勘違いだと私は思っています。このような考え方・マインドセットを持っている人は、言動にすぐに表れてきます。

 そして、面接を受けに来ている人のスキルや実績、可能性に目を向けず、人格を否定するようなことを言ったり、さらにひどい場合には結婚やパートナーの有無などプライベートに踏み込み過ぎた質問をしたり、性的な言葉を発したりする事例もあるようです。

 このような状況になった場合には、もう会話を続ける価値はありません。できる限り早急に面接の場から離れることをお勧めします。必要であれば、そのようなことが起きた事実を企業側の人事担当者に伝えたり、学生であれば学校の就職課に伝えてください。

 採用担当者は、他人を傷つける権利など何一つ持っていません。不快に思ったのであれば、それに対して抗議する権利を求職者側は有しているのです。

 ストレス耐性を見るために強めの質問をする人がいますし、実際その方が「求める人材か否か」を見極めるには効果が高いのも事実です。しかし、人格否定や容姿に関する発言は、完全にアウトです。

 日本はこの線引きが非常に甘い国ですが、グローバル仕事人を目指すみなさんは、そういった考えや行動を完全に否定することが必要です。

 昭和の時代から、日本は異常なまでに企業信仰が強く、「正社員であること」が極端に価値の高いような考え方が蔓延しているように感じます。そのため「何が何でも面接に通らなくては」といって滅私に徹してしまう人を見かけます。

 採用面接は「自分の戦力としての価値」と「貢献期待値に対するリターンの妥当性」を会話を通じて探す共同作業の場です。その意識をしっかりと持って、面接に臨んでみてください。

(プレゼンテーション・アドバイザー 澤円)