マンションに異臭が漂い
ゴキブリが異常に増え始めた

 そのマンションでは数年前、夏になり異臭が漂い始めるとともに、ゴキブリが異常に増え始めて、理事会に住民からの苦情が来たという。

 しかし、所有者は理事長の再三の勧告にも応じないため、やむなく裁判所に提訴。長時間かけて改善命令を勝ち取ったものの、本人は全く動かず、結局、管理組合が強制執行を依頼して、4トントラック3台分のゴミを管理組合負担で処分したそうだ。

 ただでさえ、大規模修繕計画やそれに伴う資金繰り、日常の管理や小修理の依頼など解決すべき問題の多いマンション管理組合活動だ。たまたま輪番で役が回って来た理事長が、裁判にまで発展するゴミ屋敷問題を抱え込むことになったのには同情を禁じ得ない。

 しかし、あなたがマンションにお住まいなら、決して他人ごとでは済まないと知ってほしい。

 ゴミはなくても同じような被害が起こる場合がある。所有者が賃貸しようとするも、借り手が何ヵ月もつかない場合、トイレや洗面所の排水トラップの水が干上がってしまい、臭気がその部屋を満たすだけでなく隣家にも及ぶということが起こる。

 中には臭気だけにとどまらず、虫が湧いてくることさえある。 「ゴミ屋敷化」は、マンションのグレード、規模、立地、築年数にかかわらず、起こっても不思議ではない、増加傾向にある問題なのだ。

なぜマンションゴミ屋敷は
一軒家よりも厄介なのか?

 問題が戸建て住宅以上に複雑で困難な理由はいくつかある。隣家が壁、天井、床を隔てて隣接しているので、被害を受けやすいこと。専有部分やバルコニー・専用庭のような専用使用権が認められている共用部分があって、管理組合や管理会社が口を出しにくいこと。しかも、一度ゴミ屋敷の発生を許せば連鎖反応の恐れもあり、マンション全体の資産価値は下がってしまう。