実際に当社で採用した社員のケースでは、「仕事を覚えて戦力になってもらうまでに最低でも一年かかる仕事です。一通り覚えてもらい、さあこれからというときに産休になると採用計画も含め現場が大変になってしまうので、このあたりはオープンにお話ししたいのですが、いかがでしょうか」と質問しました。

 彼女の返答は「夫と相談してきます」。で、次の面接の際に「私もしばらくは仕事に集中したいので、しっかり仕事を覚えて3年くらいアウトプットしていきたいと思います」と答えてくれました。

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 その後、彼女は入社し3年ほど働いた後に産休、育休を取得し、現在は2人目の育休中です。人が足りないときに活躍してもらい会社もハッピーだし、本人にもハッピーな結果になったと思います。

 結局、重要なことは働く人と企業側がお互い感謝しあえるような信頼関係を結びつつ、それぞれの要望をすり合わせていくことです。どちら側も権利や義務を振りかざして要求するだけではうまくいきません。

 まともな企業、まともな経営者なら、活躍してくれた女性社員が産休・育休を取るときは「しっかり休んでおいで」と快く送り出すでしょうし、職場復帰してからも働きやすいように配慮しようと考えるものです。とくに現在のように人手不足が深刻化している状況では、しっかり働いてくれる人には、最大限配慮して活躍してもらおうとするはずです。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)