Photo by Yoshihisa Wada

航空会社の総合力は「風通し」でわかる

 2017年の暮れに、社内から嬉しい報告があった。国土交通省航空局の監査が入った際に、監査官が「スカイマークの整備士に対する英語教育への力の注ぎ方は、国内の航空会社のなかでも一番進んでいる。正直びっくりしました」と言っていた、というのである。

 これは整備部門の30代半ばのある課長の発案によるものだった。私は社長に就任した際に、主任以上の200人の社員と「1対1の本音面談」を行って意見を聞いたことは前回紹介した。彼の話のなかにあったのが整備士への英語教育の充実だった。

 彼は、「航空機の整備では多くの書類が英語であり、機体やエンジンについて問い合わせをするのにボーイングやGE(ゼネラル・エレクトリック)が相手となる。また外国人の機長と話しをするときも英語であり、整備士の英語能力の向上は安全運航に必須です」と訴えてきた。

 もっともな話だと思った。私は、「大いにやってください。必要なものがあれば手当てします」と答えた。彼は優秀で意欲も高かった。面談時は主任だったが翌年は課長に昇進してもらった。そして、1年足らずで、彼は、監査官が驚くほどの成果を生み出していたのだ。

 管理職研修でいろいろな話をすると、「こんなのはどうですか」とすぐにメールで反応してくれる人たちが増えた。こういう人たちが増えると、会社はよくなってくる。自分と自分の会社を重ねて考えられようになると、その作業が面白くなり、さらに一所懸命に考えてくれるようになるのだろう。そのあたりから、スカイマークは、本当に変わり始めていると実感できるようになった。

 航空機を安全に飛ばすには多くの分野の専門家が“完全調和”ともいうべき体制を維持しなければならない。1ヵ所でもボトルネックになる部門があれば、安全運航も定時出発も実現しない。

 2015年9月に社長に就任して、そのことをつくづく思うようになった頃、懇意にさせていただいていた日本航空の元役員の方から昼食に誘われた。その際に、元役員氏は、「市江君、航空会社はなにはさておき風通しだよ」とアドバイスしてくれた。