「アルマーニ」の標準服で
泥にまみれて掃除できるか?

「アルマーニ」の標準服を児童に着させて泰明ブランドを築くということは、保護者に多額のコストを負担させて学校がブランディングをしているようなものだ。多額の広告宣伝費をかけてブランディングをしている企業は確かに多々あるが、最近ではそうした広告よりも、一般消費者の口コミの方がよほど信用できると考える人が増えた。

 経済誌の記事の中に巧妙に紛れ込んで小さく表示されている「広告」「PR」「企画」と書かれた企業の広告記事は、たいてい読み飛ばされる。カネをかけて広告宣伝をしたからといって、成果が出るとは限らないのだ。何も多額の投資をしなくても、保護者に多額の負担をさせなくても、ブランディングできることは山ほどある。

 そもそも小学校なのだから、本業である学業レベルの高さや、学芸やスポーツのコンクール参加などでブランディングするということもできる。同じ中央区にオフィスを持つ私から見れば、泰明小学校周辺を掃除したり、ボランティア活動をしたりすることも立派なブランディングだ。機会は身近なところにたくさん転がっていると思えてならない。

「アルマーニ」の標準服を着た児童とすれ違っても、私はそこにブランディングを感じないだろう。保護者に負担を強いているだろうことを思い複雑な心境になりこそすれ、街と一体化しているとは思えない。むしろ、着衣はさまざまだろうが、児童らしく学業や学芸に励んだり、汗水を流して学校周辺の掃除をしている姿に、街と一体化した思いが湧き上がるに違いない。

 どうしても銀座の街との一体化を目指した標準服を、銀座に店舗を構えているブランドから選びたいというのであれば、「ユニクロ」がぴったりではないだろうか。「アルマーニ」を着たことがないひがみでもなく、休日はユニクロで過ごしているから言うわけではないが、「アルマーニ」の標準服で、泥にまみれて本気で掃除している児童の姿がどうしても思い浮かばないのだ。