「週刊ダイヤモンド」2018年2月24日号掲載の「JA経営健全度ランキング」で日本一に輝いた秋田県、JA秋田ふるさとの小田嶋契組合長に担い手農家に支持される秘訣を聞いた。JAの使命である「農家の悩みを解決する」部署を新設したほか、職員を本業に集中させるために農業と無関係の商品販売のノルマを減らしているという。(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)

農協本来の役割は
困った農家が相談できる場の提供

――昨年、元常勤監事による9400万円の横領が発覚しました。

減反廃止に大賛成!「JA健全度」首位の異色組合長が訴える農協の原点Photo by Kazutoshi Sumitomo

 農協の信頼を損ねてしまい、大変申し訳なく思っています。昨年末に第三者委員会がまとめた不祥事に関する報告書の内容を踏まえ、役員の責任の取り方も含めて今年3月までに結論を出したいと考えています。

 こうした状況でインタビューを受けるのは心苦しかったのですが、アンケートで自発的に農協の姿勢を支持してくれた組合員への感謝の気持ちもあり、取材に応じました。

――JA秋田ふるさとは週刊ダイヤモンド「JA経営健全度調査」でトップ、小田嶋さんは担い手農家が決める「JA役職員ランキング」で1位でした。農家に支持される秘訣を教えてください。

 私はコメ農家です。かつて農協はふらっと寄って茶を飲んで帰れる場所でした。しかし、合併で組織が大きくなり、気軽に訪ねにくい雰囲気になりました。そこを変えたいと思って農協の役員になりました。