“エゴな走り”がある限り
渋滞問題は解決しない

 渋滞の原理を運転免許更新時などで学ぶことで、意識も変わるのではないだろうか。また、こうした知識の積み重ねに加え、社会として成熟することも必要だという。

「エゴな走りをすると、自分も含めて損してしまうことに気づかなければいけません。つまり、“大人の社会”にならないと、交通問題は解決しないんです。自分のことばかり考えている人の集団が運転したら、どんな技術を持ってしても渋滞は解消できません。交通網という有限のキャパシティがある以上、譲り合いをはじめ、全体を考える行動をしないかぎりは、渋滞がなくなる日はこないでしょう」

 日本は、譲り合いの精神を重んじ、「三方良し」を理解できるお国柄。知識さえ身に付ければ、渋滞になりにくい運転が浸透するはずだと西成教授は考察する。また、自動運転などのテクノロジーの進化も、渋滞を激減させていくだろうと話す。

「自動運転化社会がくると、渋滞は減ります。車間距離や速度回復などをプログラムすれば効果はバツグンです。実用化まで時間はかかると思いますが、未来は明るいと思います。また、カーナビの精度も格段に向上しています。ほぼリアルタイムで、きめ細かい交通情報が取れるようになってきました」

 これまでの研究の成果やテクノロジーの発展を前提にしながらも、大型連休の渋滞は国民レベルの意識転換なくしては解消できないという。

「交通量が1時間に2000台を超えると、どんなに車間距離を空けても、速度回復をしても渋滞になります。つまり自動車を分散させて、1時間に2000台通過しないようにすることが大事です」

「しかし、高速道路で1時間に2000台を超える勢いで車が集中するタイミングが、年に3回あります。それは、5月のゴールデンウイーク、8月のお盆、そして12月末から1月頭の年末年始です。つまりは、休暇分散がひとつの究極のソリューションなのです」

 渋滞解消には、個人の知識拡充や意識改革、そして国のかじ取りによる施策も必要になるようだ。いずれにしても、公益を考えるドライバーが増えることが、渋滞解消への近道のひとつであることは間違いなさそうだ。