ここ数日、数枚の写真が私の目を惹きつけて離さなかった。

 そのうちの1枚は、「水上派出所」という警察の施設を写したものだ。このところ、広西チワン族自治区や湖南省などの中国の南方地域では、深刻な洪水の被害を受けている。広西チワン族自治区柳州市にあるこの水上派出所が洪水に襲われ、1階の建物の半分ぐらいが水浸しだ。

 ネットでは、「今度は文字通りの水上派出所となった」「いや、いまは水上派出所ではなく、水中派出所と呼んだ方が正確だろう」といった揶揄の書き込みが氾濫している。

 もう1枚は、中国人と思われる男性観光客のくたびれた様子をカメラのレンズに収めたものだが、男性は商品を詰め込んだおびただしい手提げ袋に囲まれている。キャプションには、「ヨーロッパ人観光客の十数人分の消費力に匹敵するものだ」と書かれている。

 しかし、この2枚の写真が私の関心を引いた最大の理由は、先週の日曜日、銀座を訪れたときの私の心情を活写していたからだ。