鈴木 昔は後輩から「大和証券に就職を考えているんです」と相談されたら「やめとけ」と答えていたかもしれないですが、今は「やる気があるなら、ちゃんと評価されるから来たほうがいいよ」と言えるようになりましたね。

小室 魅力的な人材を採って、その人の力で勝っていくというビジョンのもとに、会社を変えてきたんですね。

鈴木 実は、それ以上に考えていたのが社員のモチベーションとプライドの向上です。たとえば、大和証券が就職人気ランキングの6位になったところで、街を歩いている人に聞いても誰も知らないですよね。一番知っているのは誰かといえば、社員と家族です。

 就職人気ランキング6位になれば、社員の奥さんが「あなた、こんな超人気の会社で働いているんだから、辞めたらダメよ」ということになる。ランキングが社員の「この職場で頑張ろう」と思えるマインドに与える影響は大きいんです。

一気に4名の女性役員を
誕生させた理由

小室 大和証券さんの取り組みで、もう1つインパクトが大きかったのが、一気に4名の女性役員を誕生させたことです。09年のことですから、まだ世の中が女性役員の「や」の字も言っていなかった頃です。女性役員は、今は何名いらっしゃるんですか?

鈴木 5名と社外に1名で、全部で6名です。

小室 それだけ女性役員がいらっしゃる会社は、カルビーさんと大和証券さんくらいだと思います。社内で抵抗はなかったんですか?

鈴木 営業は数字が「見える化」されていたから、納得感はあったと思います。とにかく、最初に女性をたった1人だけ役員にしてもダメ。やるならいっぺんにやらなければ、と考えていました。

小室 それはなぜでしょうか?

鈴木 男女を問わず、成果の出方は人それぞれ。すぐに成果を出す人もいれば、少し経ってから成果を出す人もいるんです。男性役員はたくさんいるから、大器晩成型も認められていますが、人数が少ない女性は1人が女性全体の評価を背負うことになる。たまたま1人登用した女性が大器晩成型だった場合、「やっぱり女性はダメだ」となってしまう。複数人いれば、そういうリスクを回避できるわけです。

小室 それを見越した決断をされたんですね。