鈴木 過去の経験があったからです。私どもの会社は1985年に初の女性支店長を出していて、その人は私の同僚だったんです。当時、女性で支店長になったのは1人だけ。一番仕事ができたから引き上げられたわけだけど、支店長のタイプじゃないなと思っていた。

 案の定、本人に話を聞くとやっぱり上手くいっていなかった。上からあれこれ言われて、男性と同じようにマネジメントをしようとしていたんです。「そんなやり方じゃ無理だよ。自分のやり方があるだろう」とアドバイスをしても、ダメなんですよ。

女性を1人だけ昇進させても
うまくいかない根本的な理由

小室 どうしても焦りがあるんですね。

鈴木 どちらかというと、女性はコツコツ努力をして、堅調に数字を伸ばしていくタイプが多い。だから、先ほどお話しした女性支店長は、好きなように仕事ができず、面白くなかったと思うんです。やっぱり同じ立場の人が5人も6人もいたら、自分のやり方でできるし、お互いに相談もできます。たった1人が女性社員を代表して働いてはいけないんです。

小室 私が新卒で就職した資生堂も、女性社員の割合が7割なので、女性がいるのが当たり前でした。「女性総合職第何号」みたいに、変に注目されずに仕事ができて幸運でした。当然、上司から「期待をかけられない」という経験もしませんでした。

 しかし、退職して11年前に起業し、様々な企業をコンサルティングするようになってから、初めてその環境が稀有なものだったということに気づいて、驚きました。他社の管理職の男性は、同じ総合職で入社したのに、女性の部下には仕事を渡すことから悩んでいるレベル。まだまだ女性の登用にハードルがあるのを知りました。

 そして、他社ではまだ女性管理職もわずかしかいないというレベルなのに、大和証券はすでに女性役員が6人もいるというのは、本当に先進的ですね。働き方改革によって社員の生活がどう変化するのかについては、企業によって非常に差が出ます。19時前退社を徹底して、どのような変化が出ましたか?