インドが2030年までの完全EV化を諦めた裏事情デリーの旧市街地の様子 Photo by Kenji Momota

2030年までにEV化100%を40%に修正
公共交通ではEV100%目標を維持

 2月17日、日本の一部報道でもあったように、インドの運輸大臣が同政府がそれまで示してきたEV普及の強硬な姿勢を崩すような発言を行った。

 これは、昨年末にインド自動車工業会がインド政府に提出した「2030年までに新車の40%をEV化、また公共交通機関では100%EV化を目指す」との意見書を受けての発言だ。

 インド政府のEV政策といえば、電力省・石油天然ガス省の所管大臣などの政府高官が「2030年までにインドで販売するすべてのクルマをEV化する」との野心的な発言を繰り返していたため、世界の注目がインドに集まっていた。

 その他の国のEV政策では、英国とフランスの政府がそれぞれが「2040年までにガソリン車とディーゼル車の発売を禁止する」という方針を打ち出しているが、この電動化にはハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が含まれており、完全EV化を早期に実現するとは明言していない。