大都市ではEVより先に
インフラ整備と販売台数規制が急務

インドが2030年までの完全EV化を諦めた裏事情日本人記者団との質疑に答える、トヨタ・キルロスカ・モーターの立花昭人社長 Photo by Kenji Momota

 今回のインド取材で、筆者は体調を崩した。

 その理由は、ホコリや粉塵である。オートエキスポの会場は2ヵ所あり、ひとつはデリーから南東へ約40kmの振興地のグレーターノイダで開催された自動車展示ショー、そしてもうひとつがデリー中心部の旧展示会場での自動車部品ショーだ。その自動車部品ショー会場内では、新しい施設の工事が行われていたこともあり、会場周辺には大量のホコリが待っていた。来場者の多くが咳き込むような状況で、筆者も気管支炎から発熱した。

 また、デリー市街では空気中の浮遊物が多く、朝は霧がかかったような状態になるほど、大気汚染は深刻な状況が続いている。

 さらに、デリー市街の渋滞は年を追うごとに酷くなり、今回の滞在中もライドシェアリングのウーバーで移動することが多かったが、10kmに1時間以上かかる状況が多かった。

インドが2030年までの完全EV化を諦めた裏事情インド地場タタの新型商用EVと充電インフラ Photo by Kenji Momota

 そのため、地下鉄のプリペイドパスを購入して電車移動も併用して移動した。

 こうしたデリーでの体験を踏まえて、一刻も早くインフラ整備、さらには中国の北京市のようにナンバープレートによる交通量規制や、シンガポールのような販売台数抑制などの政策を実施するべきだと強く感じた。

 EVやハイブリッドを売るよりも、まずは交通流制御を優先するべきである。

(ジャーナリスト 桃田健史)