ある企業では、特に注意が必要だと思われる有所見者には、産業医と保健師による健康相談を実施している。緊急性が高い場合は、その場で医療機関への紹介状を書いて受信を促している。産業医面談までいかない人には、健保主催の特定保健指導を受けてもらっている。一方で、面談に応じない社員へは、何度でも本人の都合を聞いて予約し直すなどして、徹底的に最後まで追いかけているとのこと。

 ストレスチェックも重要である。必ず受けさせるとともに、集団分析をすることで多くのことが判明する。しかし、人事担当者ではその見方が分からないことも多い。産業医に分析してもらうと、人手不足やスキルのミスマッチなど、個々の職場の課題が見えてくるはずだ。しかし、多くの企業では、月1回2時間ほどの定期訪問が主で、分析まで手が回らない状況のようだ。

 ある企業では、保健師が高ストレス者をフォローする体制がある。その他、管理職研修などで保健師がメンタルヘルスセミナーを実施。新人と中途採用者には入社直後と半年後に保健師との面談の場を設けている。これにより、保健師と顔なじみとなり、相談しやすい状態にしているのだ。

 以上のような法定義務への対応をしっかりと行い、フォローが必要な従業員へは徹底的にフォローをすることで、マイナスの状態から脱却する。健康維持のフェーズである。健康状態をイーブンの状態に持って行ってから、健康増進のフェーズに入る。

健康増進はプラスα、継続が課題

 健康増進フェーズでのキーワードは「継続」だ。プラスαの活動をすることになるので、継続が難しい。ポイントは「どうせ」、「ついでに」である。どうせ人は食べるし飲む、そして寝る。必ずやらなければならないことに付加していく方法がある。