石器はヒトに武器を与え、土器は煮炊きを可能にした

 人類は石器とともにその進化を続けてきました。400万年前に始まった旧石器時代前期(ホモ・エレクトスなど)では世界の全人口が12万人足らずでしたが、中期(20万~4万年前)には120万人、後期(4万~1.3万年前)には300万人に達しました。

 石器は主に、斧や槍として用いられ、ヒトに武器を与えました。ヘラジカやマンモスなど大型獣を仕留める力となりました。

 しかし、ヒトがその勢力を大きく拡大する上では食糧源を拡げることが必須でした。約2万年前の厳しい氷河期(*1)の食糧難をしのぐために、そしてその後の温暖化による大型獣の減少と植生の変化に対応するために。

 そこで大いに役だったのが、土器でした。石器ではナイフはつくれても、調理方法は「焼く」くらいしかありません(*2)。でも2万年前の土器の発明により「煮炊き」ができるようになりました。

縄文時代早期の土器(1.3万~9000年前)

 この調理方法の拡大こそが、人類史上最大級のイノベーションをもたらしました。

*1 この時期にネアンデルタール人は滅びたが現生人類 ホモ・サピエンスは生き延びた。
*2 ネアンデルタール人も土器ではなく木の皮などを用いて簡単な煮炊きを行っていたとする説もある。