色恋営業では生き残れない
“銀座化”する歌舞伎町のホストクラブ

「ここ数年間、歌舞伎町を訪れる客が増えたことで、ホストたちの“質”に変化が起こり始めているんです」

 こう語るのは、ホストクラブ業界に詳しい作家の内藤みかさんだ。

「転機となったのは、2004年頃からの『歌舞伎町浄化作戦』と呼ばれる取り締まりだったと言われています。終電から明け方までの時間帯の営業が禁止になり、仕事帰りのキャバクラ嬢や風俗嬢を相手にする、ホストの“ゴールデンタイム”を失いました。一時、業界にとって苦しい時代が続きましたが、代わりに昼間に働いている女性たちがホストクラブで遊び始めたんです」(内藤さん、以下同)

 彼女たちは、仕事帰りの早い時間帯に来店し、1~2杯だけ飲んで帰ることも珍しくないという。高価なシャンパンやボトルを入れて豪遊することは少なく、ホストに貢いで身を持ち崩すこともない。

「ホストとは友達のような感覚でいて、楽しく、気持ちよくお酒を飲ませてもらえればいいという、割り切った考え方が特徴的ですね」

 彼女たちが求めているのは、ホストとの甘い擬似恋愛ではないようだ。さらに内藤さんが指摘するのが、ホストクラブのビジネス利用の増加だ。

「ここ数年、女性社長たちが、夜のおもてなしの場が歌舞伎町にあることに気づき始めたんです。接待や商談のためにホストクラブをビジネスに利用する女性客が増え、歌舞伎町のホストクラブが“銀座のクラブ”化し始めているんです」

 客層が変われば、ホストに求められるスキルも自然と変化する。「ホストは、これまでのような“色恋営業”だけでは生き残りが難しくなった」と、内藤さん。

「ビジネスの場では、『この子ならソツなくこなしてくれる』という信頼感が指名につながります。つまり、ルックスの良さや女性の扱いに長けていることよりも、知識や教養があり、その場を円滑に回してくれて、取引先の前に出しても安心という“質”の高いホストが選ばれているんです」