高田そうですね。僕の場合はお客様が飲食店さんや美容院さんがほとんどなのですが、やはり売上が上がらないところは、新規のお客様を集客するのもうまくいっていないし、固定客ももちろん育っていないところが、とても多いんですよ。

岡本僕はこう思うんですよね。売上がなかなか上がらない会社やお店は、商品やサービスが悪いということではなくて、自分が持っているよさ、商品のよさでもあり、会社のよさでも何でもいいのですが、そのよさが伝わっていないパターンがほとんどだということ。だから、実際に会社やお店に行ってコンサルティングをすると、

 「こんなにいいところがあるのに何で気づかないんだろう。もったいないなぁ……」

 と思うことがよくあるんですよ(笑)。

高田あっ。それ、よくわかります(笑)。ところで、岡本さんは自分の得意分野やよさを伝えられていない方が、どういうふうに集客するのかご存じですか?

岡本:よくやりがちなパターンが「割引」ですよね。

高田その通りです。フリーペーパーや割引チラシなどで集客している。つまり、全部割引で集客しているんです。確かにフリーペーパーで反応がいい時期もあったし、掲載すれば、したぶんだけ確実にお客様が来る時代もありました。しかし、最近ではフリーペーパーに10万円の広告費用を費やしたのに、2~3万円の売上にしかならないというケースもありますし、売上がゼロという美容院さんもあるんですよね。

岡本それって結局、自ら価格競争に巻き込まれているということですよね。売上を上げようと頑張っているのに、割引で集客するから価格競争に巻き込まれて、売上が下がり、利益が圧迫され続けていると。

高田しかし、「割引で集客をやらないと、そもそもお客様が集まらないから」といってやってしまっている飲食店さんや美容院さんは、実際にすごく多いんですよ(苦笑)。

熾烈な価格競争から抜け出すには?

岡本:なるほどね。実は今回高田さんと対談をやるということをあらかじめメルマガで告知して、読者から質問を集めたのです。すると、「今すぐ業績を上げる方法を教えてほしい」という声が多かったんです(笑)。

 これは、かなり切羽詰まっている質問だと思うのですが、そうした質問が出てきた背景には、「いくら頑張っても売上が下がり続けている。どうにもならない」という袋小路的な現状が中小企業や個人商店にあるからだと思うんです。

高田:僕もそう思います。もうちょっと広い視点で見ると、そもそも割引を使って集客をするということは、「試しに利用したいと思っているお客様」だけにアプローチをし続けているってことなんです。お客様は最初から試しに利用しているわけですから、1回きりで終わってしまうのも当たり前なんですよね。

 実は客観的なデータも出ていて、値引で集めたお客様の7割が1回きりのお客様です。結局、高いお金をかけて、割引までして販促しても、ずっとやり続ける必要が出てくると。反応がいいうちはそれでもよかったんですが、最近は反応が悪くなっているので、売上が上がらないだけではなく、割引で利益が圧迫されると。これが「いくら頑張っても売上が下がり続けている」本当の原因だと思うんですよ。

岡本:本当に悪循環ですね。やはり現状を打開するには、まずは価格競争を脱するということから始めないといけませんね。