高田:そうです。実は世の中にはフリーペーパーなんて見ないお客様がいるんです。たとえば、「あのお店ってフリーペーパーに載っているんでしょう。だから逆に行きたくない」という人。そういうお客様も新しいお店を探していないわけではないんですよ。もっと美味しいものを食べたいとお店を探している人、自分の髪をもっとキレイにしてくれる美容院を探している人などなど……たくさんいるわけです。しかも、そうしたお客様は、自分の求める店がどこにあるのかがわらかないので、悩んでいるケースが多いんです。

既存のお客様と似たタイプのお客様にアプローチする

岡本:まさに、そういうことなんですけれども、割引で集まってくる以外のお客様は普段見えにくいので中小企業の人やお店の人も、「そんなお客様、本当にいるの?」と疑心暗鬼になってしまって、結局、何もできない人が多いんですよね。

高田:おっしゃる通りで実行しない人が多い。でも、どんな会社であれ、お店であれ、今まで商売をやってきたのであれば、既存のお客様は少なからずいると思うんですね。だから、似た感じのお客様はそのお客様だけではなくて、他にもいっぱいいるはずなんですよ。

 僕がよくいっているのは、自分の店の価値観を発信してくださいということです。お店の得意分野とか、こういうところがお客様に満足いただいているというところです。価値観を発信すると、「これこそ私が探し求めていたお店」だといって、価値観の合うお客様が来るということなんですね。

 今いるお客様がどんな理由で自分を選んでいるのかを岡本さんの「たった1つの質問」で見つけて、そのお客様が反応しやすいメッセージを新規のお客様で試していくと、必ず同じようなお客様が集まってくると私は思います。そして、新規客が集まったら、次は固定客に育てていく。この2つが商売で大切なことなのです。

岡本:僕が言わなければならないことをすべて言われてしまった感じですが(笑)。高田さんの言う通りですね。

 以前、全国に営業所がある広告代理店で働いていたんですけれども、僕は関西営業所にいて、車メーカーの広告を担当していました。関西営業所には、関東営業所で週末に行ったキャンペーンのチラシサンプルが月曜日に送られてくるんです。

 ある月曜日、関東営業所のチラシが試乗キャンペーンについてのものだったんですが、時期がいつもと違ったので、「なぜこの時期に試乗キャンペーンのチラシを打ったのか?」と関東営業所の所長に聞いてみました。

 すると「車メーカーから試乗客を増やせと言われただけだけど、この時期でもやったらうまくいった」と教えてくれたわけです。そこで、僕は関西ディーラーに、「試乗のお客様を増やしたいと思っていませんか?」と話を持っていきました。

「うちの関東営業所で試乗客を増やせたので、よろしかったらやってみませんか」と。すると、「そういうのを待っていたんだよ」と言われ、歓迎されるわけです(笑)。そして関東営業所でうまくいったチラシをほとんど焼き直しするので、うまくいく確率も高いし、僕に提案されたディーラーも喜ぶと(笑)。

 これと同じことを皆さんもお客様でやってほしいと思っています。現在、自分の商品やサービスを購入してくれているお客様がいれば、こういう理由で喜ばれていますといえば、必ず買ってくれるお客様がいるはずですから。それだけではなくて、教えてくれてありがとうと喜ばれるんですね。これ、やらないと絶対損だと思うんですよね(笑)。


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