岡本達彦氏は、広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功ノウハウをベースに、難しいマーケティング理論やテクニックを覚えなくとも、アンケートの答えから売れる広告をつくる独自の販促手法を生み出した販促コンサルタント。ベストセラー『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』を出版し、最新刊『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』も好調な売れ行きを見せている。
一方、高田靖久氏は飲食店や美容院を中心とした独自の顧客管理ノウハウを生み出し、『1回きりのお客様を100回客に育てなさい!』がベストセラーになっている。
2人の対談連載の最終回は、新規客を固定客に育てるためのDM術を伝授する。3ヵ月に2回利用してもらえれば、固定客になる確率が7倍になる!
 

お客様の「ベスト3」に入る努力をしよう!

岡本:1回目、2回目と対談させていただいて、「頑張っているけれども売上がなかなか上がらない人」の共通点がわかりましたね。

 つまり、新規のお客様の集客に関しては、自分の強みやよさがまわりに「伝わっていない」とか「知られてない」ということが原因。そのため、「何が決め手となって選ばれているのか」を聞き、買ってくれたお客様と同じような理由で買ってくれる人を探しましょう、ということでした。

 一方で、そうして集めたお客様を固定客に変えて、安定的に売上を伸ばしていくためには、どうすればいいのか。2回目では、どんなに未完成のチラシであっても、配り続けることが大切だと、高田さんに教えてもらいました。もし、それ以外にもあれば、教えてほしいのですが、いかがでしょうか?

高田:そうですね。それ以外というか、100回客を呼び込むために、目指すべきゴールを教えましょうか。まず、覚えていてほしいのは、必要なときに思い出してもらう店になるためには、その人のベスト3~5に入らなくてはダメということです。

 岡本さんも経験があると思いますが「料理もおいしかった、接客もよかった、雰囲気もよかった。絶対、次も行ってみよう」といって1回きりしか行っていないお店、たくさんありますよね。

岡本:ええ。そういうお店いっぱいあります(笑)。

高田:たまたまそのお店を通りかかったら、「ここよかったんだよね」と。友達に連れて行ってもらって、「ああ、ここの店いいんだよ」と気づくこともある。それって単純にお客様が忘れているだけなんですね。

 たとえば、飲食店の場合。お客様が「今夜どこに行こうかな」と頭の中でお店を思い浮かべる。すると誰でも3~5店舗ぐらいは思いつくといわれています。岡本さんはどうですか? 「今夜、寿司屋で食べよう」と思って店を頭の中で探したら5店舗以上出てきますか?

岡本:いや~。なかなか出てこないですね(笑)。

高田:そうですよね。それ以上考える人ってあんまりいませんよね。今夜、回転寿司に行こうと思ったときに、5店舗以上考える人は稀でしょうね。

 でも、世の中にはもっとお寿司屋さんがたくさんある。だから、お客様が考える3~5店舗の中に自分の店が入って来なければ、自分の店は必然的に選ばれないわけですよ。土俵にも上がれないので、勝負にもならないということですね。じゃあ、どうやって土俵に上がるのかといえば、「忘れられないようにする」。たった、これだけなんですね。