地方では小売店の店舗閉鎖などによって、日常生活に支障が出るケースもある。そうした変化や問題が増える中、ローソンの取り組みが人々の支持を獲得することができれば、同社の成長はこれまでとは違ったフェーズを迎えるだろう。

成長のために不可欠な
常に改革するスタンス

 国内の小売業界では、ローソン以外の企業もインターネット通販事業を強化している。西友は楽天と、イオンはソフトバンクと連携して店舗での販売とECを通したビジネスの両面を強化している。小売り大手企業は、傘下の銀行子会社を活用してIT技術と金融サービスを融合させたフィンテックビジネスの強化にも取り組んでいる。そうした取り組みが進むことによって、物流、決済(購入代金の支払い)、店舗の運営など、従来の小売ビジネスの発想が大きく変わるだろう。

 企業が市場のシェアを確保していくためには、ローソンのように新しい取り組みを連続的に進め、消費者の関心を引き付けることを目指すことが欠かせない。新しいサービスを提供して、消費者の満足度を高めることができない企業のシェアは低下し、付加価値を生み出すことが難しくなるだろう。市場原理による淘汰が促進されるということだ。ハイテク技術の開発と普及が進むことによって、経済の競争原理が発揮されやすい環境が整備されていく可能性は高まっている。

 長い目でローソンの取り組みを考えると、さまざまな展開が考えられる。例えば、コネクテッドカーを活用して移動式の無人店舗が普及すれば、過疎化が進む地域での生活は大きく改善されるはずだ。それは地方の活性化に重要な役割を果たすだろう。

 新しい技術、コンセプトを応用することで、これまでの業態にとらわれることなくビジネスモデルを構築することが可能になりつつある。常識や既成概念にとらわれることなく既存のシステムと新しい理論や技術を融合させる企業の取り組み(イノベーション)が、社会の活性化には不可欠だ。

 そのために政府は、規制の緩和や従来にはないビジネスモデルを実証的に検証する環境を整備すべきだ。それが、世界的に進むハイテク技術の開発とその応用によって進む競争環境の中で、わが国の企業の収益確保をサポートすることになるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)