法的整理を経た日本航空(JAL)の業績改善が目覚ましい。2期連続で営業利益1800億円を出す見通しだ。一時的ではなく継続して利益を出せる会社になれたのか、その内容を検証する。
2010年1月に経営破綻し、今年9月に再上場を目指している日本航空(JAL)の業績が劇的に改善している。
破綻前の09年3月期の営業損益は508億円の赤字、破綻時の10年3月期は同1337億円という大赤字に陥ったが、法的整理でバランスシートを一新した結果、11年3月期は一転して1884億円の営業黒字となった。
この数字はJALの過去の業績の中で最高益、さらに同年度の世界の航空会社の業績の中でもトップの利益額となった。
この“劇的V字回復”は、法的整理によるリストラ効果が大きかったことによる。図(1)にあるように不採算路線から撤退して規模を3分の2に縮小、それに伴い従業員は1万6000人削減された。資産を時価に再評価する財産評定により、航空機のリース料などが大幅に軽減したことも大きかった。
それでも10年9月に策定した計画では、更生計画1年目に当たる11年3月期の営業利益は640億円にとどまる見通しだった。それが実績では計画を1200億円も上回り1884億円の営業黒字になったのだ。