彼氏を追いかけて留学
6人のクラスメイトとともに来日

 特に日本に対して強い思い入れがあるというわけではないが、留学したのは「とにかく外国に行って、広い世界を見てみたかったから」。そんな彼女は、日本の大学に入学してからは、京都を始め日本各地を旅行している。趣味は映画鑑賞で、時々、フランス語の勉強もする。

「毎日充実していますが、やっぱり研究に関しては、特に日本である必要もないと思います。その気になればどこででも学べるし、経済やITなどの分野は中国で学んだほうが得だという人もいます。私が日本に感じている魅力は、世界一と言われる東京の交通インフラとか、福祉とか。それらを体感できるのはいい経験かもしれませんね」

 卒業後数年間は日本で働くつもりだが、老後はヨーロッパで暮らしたい、と話す林さん。自分のことを「行き当たりばったりな性格」というが、それでも興味や好奇心に応じて、自由に選択する生き方を誇りに思っている。

 多くの中国人留学生に話を聞いてみると、このような考え方は決して珍しいわけではない。むしろ、「どうしても日本に留学したい」という留学生のほうが少数派のように思える。林さんと同じように、中国の大学で日本語学部を卒業して来日した黄さん(仮名:23歳女性)も、最初は特に日本に興味があったわけではなかったと話す。

「大学入試で希望の学校に受かったのはよかったのですが、私は点数が悪かったので学科は英語か日本語しか選べませんでした。英語は受験で嫌になっていたから、消去法で日本語を選んだんです」

 そんな彼女が、わざわざ卒業後日本に留学した理由は「彼氏が日本に留学するって言い出したから」。

「置いていかれるのはイヤだと思ったから私も日本に行くことにしたんです(笑)。同じクラスの友達6人とも留学することになったので、一緒に日本に来ました」

 仲の良い友だち同士で来日したため、特に寂しいと思うことはなかったという。中国人留学生が日本で進学する際には、半年間は日本語研修を受け、その後大学を受験するのが一般的だ。ただ、黄さんとその友人たちは日本語研修を終えるのに1年半かかった。