2014年「新・風土記」出雲大社奉納、2015年「天地の守護獣」大英博物館日本館永久展示、「遺跡の門番」クリスティーズに出品・落札。2016年「The Origin of Life」4ワールドトレードセンター常設展示…。競争が激しいアートの世界で、なぜ、いま小松美羽が評価を集めているのか?その理由を、話題の新刊『世界のなかで自分の役割を見つけること』の内容からお伝えしていく。
現代アーティスト。1984年、長野県坂城町生まれ。銅版画やアクリル画、焼き物への絵付けなど幅広い制作スタイルから、死とそれを取り巻く神々、神獣、もののけを力強く表現している。2014年、出雲大社へ「新・風土記」を奉納。2015年、「天地の守護獣」の大英博物館日本館永久展示が決まる。2016年より「The Origin of Life」が4ワールドトレードセンターに常設展示される。2017年には、劇中画を手掛けた映画「花戦さ」が公開されたほか、SONY「Xperia」のテレビコマーシャルに出演。
お天道さまがいつも見ている
2017年から、本格的なアジアへの展開が実現したのは、Whitestone Gallery のおかげだ。
銀座に二つギャラリーを持つ Whitestone Gallery は、未来を見据えて香港に本社を移転、台北にもギャラリーをオープンした。
CEOの白石幸栄さんはこう語っていた。「アートの熱は、世界を巡回して旅をする」と。
19世紀にヨーロッパにあったアートの熱は20世紀になるとアメリカに移り、これからの二一世紀はアジアに移ろうとしている。
アートは言語にとらわれないから、本当の意味で自由な旅人だ……。
そこで白石さんは、日本にとどまらず欧米にとらわれず、これからアジアを盛り上げていこうとしているのだ。
Whitestone Galleryの台湾と香港のスタッフ、海外戦略メンバー、日本戦略メンバー。
多くの方が私に関わってくださっている。
白石さんには、コレクターとの関係も重要だと教わった。
決して安いものではないのだから、実際にお金を出して所有するというのは、それだけ作品が大好きで、深く関わってくれるということだ。
私はずっと「たくさんの人に見てもらえる、展覧会向けの大きな作品を」という意識でいたが、コレクター向けの小さい絵も描くようになった。
こう考えると、コレクターもまた、チームの仲間なのだ。