2014年「新・風土記」出雲大社奉納、2015年「天地の守護獣」大英博物館日本館永久展示、「遺跡の門番」クリスティーズに出品・落札。2016年「The Origin of Life」4ワールドトレードセンター常設展示…。競争が激しいアートの世界で、なぜ、いま小松美羽が評価を集めているのか?その理由を、話題の新刊『世界のなかで自分の役割を見つけること』の内容からお伝えしていく。

小松美羽 (こまつ・みわ)
現代アーティスト。1984年、長野県坂城町生まれ。銅版画やアクリル画、焼き物への絵付けなど幅広い制作スタイルから、死とそれを取り巻く神々、神獣、もののけを力強く表現している。2014年、出雲大社へ「新・風土記」を奉納。2015年、「天地の守護獣」の大英博物館日本館永久展示が決まる。2016年より「The Origin of Life」が4ワールドトレードセンターに常設展示される。2017年には、劇中画を手掛けた映画「花戦さ」が公開されたほか、SONY「Xperia」のテレビコマーシャルに出演。

「三年周期」で進めていく画家人生

 小学校のあとは中学、進学するならば高校、大学と続いていく。

 6年、3年、3年、2年もしくは4年。

 こうした区切りはたいていの人が意識しているけれど、大人になったらどうだろう?

 気がついたら1年が終わっていて、今年と来年の境目を感じたのは大晦日やお正月だけ。今年も来年も再来年も、なんとなく区切りがなく日々が積み重なっていく。

 そんな人は多いのではないだろうか。

 阿久悠さんのトリビュートアルバムのジャケットを描かせていただき、画家としての仕事が始まったあと、私は3年周期を意識するようになった。

 1年目=覚醒
 2年目=進化
 3年目=達成

 この3ステップでいろいろなことをして、魂も成長させていくのだ。

 覚醒の年には、文字通り目覚める。魂と目を開いて、3年間かけて達成に向かう。計画をつくり、行動する。

 2年目はそれを進化させて、具体的にさまざまなことをする。

 3年目になれば達成なので、しっかりと3年間の集大成の形をつくりあげる。

 そのためには覚醒と進化が大切で、達成したら、そこでいったんリセット。さらにパワーをあげて次の年は新しい覚醒がまた始まる。

 こうした3年周期を意識すると、自分も成長していけるし、日々を無駄にせず、使命をまっとうすることができる。

 厳密に1月1日が年の始めというわけではなくて、私はなんとなく「秋が変わり目」という感覚がある。

 最初に三年周期を意識したのが2010年。これを覚醒とするのなら、2011年は進化の年だ。

 2011年は3月11日に東日本大震災があった。

 発生後しばらくは、節電しなければいけないと思いながらテレビやインターネットで被災地の1日1日を知り、祈り、絵を描いていた。

 この年はまた、メディアの露出が突然増えて、NHK BSの旅番組「旅のチカラ」の仕事でウガンダに行かせていただいた。

 ニューヨークアート強化合宿もこの年で、あれは私の意識の革命だったから、やはり進化の年だったのだろう。

 2012年は坂城町で初個展、善光寺参道の北野美術館別館でも個展。色を用いた屏風絵「秘仏・宇宙」はこの3年周期の達成であり、今思うと、達成したから、我が子のような「四十九日」の原版を切断する勇気が持てたのだ。

 そして、伊勢神宮で「目」というモチーフを授かったのも大きな達成だ。

 2013年は新たな覚醒。銅版画から、色彩豊かな一点物を描いていこうと心に決めた年だった。

 2014年の進化は、何と言っても出雲大社で色を授かったことだと思う。それが2015年に大英博物館に「天地の守護獣」が所蔵されるという達成につながったのだ。

 クリスティーズ香港に出品した「遺跡の門番」が落札されたのも、世界で認められることの第一歩だろう。

 2016年はまた新たな覚醒。ニューヨーク「WATERFALL GALLERY」で開かれた「A SUSTAINING LIFE」に参加し、私は世界の人に伝わる絵を描こうと意識し始めた。

 ニューヨークの日本クラブでライブペイントも行い、その際の作品が4ワールドトレードセンターに飾られることになった。旧ワールドトレードセンターは、2001年のアメリカ同時多発テロで破壊された場所だ。

 私が描く神獣たちが、平和への祈りとなるなら、今こそ役割を果たさなければならないという目覚めだった。

 そして2017年は、春にまず、紀尾井町の個展「神獣 〜エリア21〜」。秋は10月に台北でのアートフェアに参加、12月に「Whitestone Gallery Taipei」で個展をし、トータル来場者数は3万人以上。

 台湾のヤフーに「小松」と打ち込むと予想検索で「小松美羽」が出るようになったほどの反響で、日本やアメリカとはまた違う、熱風みたいなパワーを感じた。

 日本からアジアに舞台が広がったのは大きな進化だ。

 そして、この本が出る2018年は、1月に北京で開催されたアートアワード「Tian Gala 天辰 2017」で、「Young Artist of the Year 2017」を受賞するという一つの達成があった。

 これからさらにどんな達成があるかが楽しみであり、さらに気を引き締めて進んでいく。

 そして、2019年から新たな三年周期が始まる。オリンピック開催年が進化の年にあたるから、何かありそうな気がしている。

 覚醒、進化、達成。

 このリズムを意識してみると、一年一年をいっそう大切にすごすことができる。