85歳でも1割以上が
働いているという現実
平均寿命が伸び、「人生100年時代」が訪れようとしている。だとすると、われわれは何歳まで働くことになるのだろうか。今回は、高齢期の労働に関するデータを確認してみよう。
まず、現在、われわれは何歳まで働いているのだろうか。この点に関して、年齢各歳別の状況を見てみる。
働く人口は、一般に「労働力人口」と呼ばれる。これは実際に働いている就業者だけでなく、仕事を探している者(失業者)を合計した数字である。すなわち、働く気のある者を労働力人口と呼び、失業率の変動など、その時々の経済情勢に左右されずに労働の構造を見るため、人口全体に占める労働力人口の割合を「労働力率」として分析するのが常道となっている。
図1には、男女の年齢別の労働力率をグラフにした。ここでは、各歳別の変化を見るため国勢調査のデータを使っている。国勢調査は全数調査なので、細かい集計が可能なのだ。
2015年の国勢調査によれば、男性の労働力率は、20代後半から50歳台まで9割以上となっており、働いているのが“常態”であることを示している。だが、60歳では9割を切り、その後、65歳には65%となり、70歳では5割を下回るなど、年を取るにつれて仕事を辞めていくわけだ。
しかし、85歳でも10人に1人以上、100歳以上でも100人に1人以上が働いているというデータとなっており、人間は、何とまぁ、しぶとく働く生き物なのかと思ってしまう。ちなみに100歳以上の男性人口は8383人(うち労働力状態不詳が232人)で、就業者が102人、失業者が2人となっている。