世界の金融市場が過剰流動性相場を演じている。そのなかで日本銀行が予想外の追加緩和を実施。円高基調が一気に反転し、これまで出遅れていた東京株式市場も急回復した。もっとも、この流れが続くかどうかは日銀次第だろう。

 流動性相場のきっかけは欧州中央銀行(ECB)による3年物の長期資金供給オペ(LTRO)で、約4892億ユーロもの巨額資金が提供されたことだろう。もともとは金融システム不安を払拭することが目的だったようだが、これほどの巨額のマネーが一度に放出された影響は大きかった。

 加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)が1月の連邦公開市場委員会(FOMC)で「少なくとも2014年終盤まで政策金利を異例の低水準に据え置く」方針を表明、流動性相場に拍車がかかった。イングランド銀行も2月に入り、資産買い入れプログラムの規模を2750億ポンドから3250億ポンドに拡大することを決定した。