関係者によると、発端は2017年11月下旬。先の取締役が「鈴木社長のワンマン経営で面従腹背が横行。もう我慢ならない。ひいては内部告発したい」とHDのリスク管理業務委託先に相談した。

 委託先を通じて12月6日、この取締役は鈴木郷史社長に退任を迫った。さらに中旬までに数回、直接または間接的に退任を求めた。

 鈴木社長は年の瀬の29日、取締役会で「取締役らから恐喝、強要されている」と主張。さらに今年2月21日の取締役会ではこの取締役を会社から完全に締め出すことを決め、当の取締役は監査役会の調査の不備を指摘した上、「裁判所で決めていただくしかない」と反発。翌22日、取締役会は冒頭の文言などを社内ウェブにアップした。

「近年のHDは構造改革が激しく、社長に我慢ならない人が現れてもおかしくないと思っていた」と、ある業界関係者は声を潜める。

 激変の一つが、目まぐるしい子会社トップの入れ替えだ(表参照)。「業績不振で仕方がなかったり、定年だったりもあるが、多くは鈴木社長のイエスマンを起用する独善的人事だ」とあるポーラグループ幹部は言う。

ポーラHD社長を役員が告発、株式譲渡契約書の捏造疑惑で

 固定費の削減も進む。子会社の一つでグループの化粧品を製造するポーラ化成工業の静岡工場を14年、静岡県内の袋井工場に統合した。関係者によると、従業員約260人をリストラ。また袋井工場も現在、閉鎖またはOEM(相手先ブランドによる生産)会社への売却が検討されているという。

 かつて「ポーラレディー」と呼ばれた委託販売契約のビューティーディレクターも16年、約13万人から約4万人へ削減された。

 改革が奏功した面はある。一方で買収した海外2企業の不振で13年以降、計約180億円の減損を出すなど経営の穴も目立つ。最近の好業績は「ひとえにインバウンドとリンクルショットのおかげ」との声が社内外から聞こえる。