農業振興に汗を流す
「新農人」と呼ばれる若者
中国の農山村で「村おこし」を始め、農業振興に汗を流す若者たちが増えている。そうした活動は“市民権”を得て、ビジネスとしても成り立つようになってきた。
手掛けるのは「新農人」と呼ばれる人たち。彼らは、若者たちにいい刺激を与え、さらに勢力を拡大していくなど、好循環を生み出している。生活の基盤を日本に移した私でも、彼らの日本訪問を手伝っている関係で、こうした変化を肌で感じることができた。
今回は、これまでに知り合った2人の若い女性の近況を報告したい。
生活レベルの向上にしたがって、腹いっぱい食べられることを追求していた人々は、いつしか安全かつ健康的な「食」へ関心を寄せるようになった。その結果、「生活品質」の重視というものは、すでに人々の新たなニーズとなっている。
だが、中国において、安心かつ健康的なものを食べることは、往々にして容易ではない。2012年、若い教師の虫媽さんは、第一子が生まれたとき、子どもに最高の食事を与えようと、電気自動車のテスラを運転し、上海の最高級のスーパーで一番高い食品を買っていた。「これで安全なはず」と信じていた。