本質とは何か?
新しい缶切りのデザインを頼まれたとしても、アイデアの大半は自分の経験や使ったことのある具体的な缶切りに影響される。そしてすでに存在している缶切りとほんの少ししか違わないような缶切りしか思い浮かばない。
しかし、缶切りの本質は「物を開けること」だと捉えるなら、そして世界中に手がかりを求めるなら、新しいアイデアを思いつく可能性は大いに高まるだろう。モノはどのようにして開くのか、を少し考えてみよう。次にいくつかの例を挙げる。
●バルブはスチームで開く。
●牡蠣は筋肉を緩めることによって開く。
●エンドウ豆の鞘は熟して合わせ目が緩くなって開く。
●ドアは鍵で開く。
●魚の口は首を強く握ると開く。
●自動車のアクセルはペダルを押すと開く。
人が生まれつき持っている創造性からは、数え切れないほどのジャンプしたアイデアが生まれる。あるものは、自分だけの新しいアイデアへと導いてくれるかもしれない。エンドウ豆の鞘をヒントにして、新しい缶の開け方を考えられないだろうか? 缶切りを作るのではなく、押すとつなぎ目が割れて開く缶そのものをデザインすることもできる。斬新なアイデアは、今まで教えられてきたのとは違うやり方で問題を考え、アプローチした中から生まれてくる。