前回は無意識のうちに決めつけている「思い込み」の枠をはずす「前提逆転」発想法を紹介した。今回はアレックス・オズボーンによって提案された発想法の定番、「SCAMPER」による発想トレーニングを紹介しよう。既存のものに手を加えて新しいアイデアに作り換えていく手法だ。
「代替」による発想法
既成の事物に「手を入れる」ことも、1つの創造性だ。想像力がもう一つ出てこないときは“ありもの”に手を加え、新しいアイデアに作り換えてみるといい。すべての新しいアイデアとは、すでにあるものに何かを付け足したり、修正を加えたりしたものだからだ。
図を見て、このウサギをアヒルに変えることができるだろうか?
ウサギの目を中心に据えて、反時計回りに90度回転させると、突如アヒルが現れる。こんなふうに、すでにあるアイデアにちょっと手を加えるだけで、新しいアイデアを作り出すことができる。
新しいアイデアは、さらに新しいアイデアに作り換えることができる。最初のアイデアに縛られると、想像力は限定されてしまう。よいアイデアを手に入れる最善の方策は、できるだけたくさんの選択肢を展開すること。1つの視点は、あらゆる可能性の1つにすぎない。