ということで、ルノーは日産と上記の①、②、③を実施済み。残るPSAとフィアットは①、②、③それぞれに対して、なんらかの手を打つ必要があるのだ。

 その結果として考えられた手が、NAFTAとのつながり、つまりアメリカ自動車メーカーとの提携なのだ。

伊フィアットは
北米、ロシア、南米、インドを視野に

 フィアットは、クライスラーを傘下に収めている。最近では、経営統合を視野に入れているのでは、との報道が多い。また、フィアットとクライスラーは車体の統合による新車開発という観点では、すでにプロジェクトが実施されている。それが、コンパクトカーのアルファロメオ「ジュリエッタ」と、クライスラーが展開するブランド「ダッジ」の「ダート」だ。エンジンも1.4リッターターボ等を共用する。

 欧州での一部報道では、フィアットはクライスラーのジープブランドの、ロシアでの現地生産を含めた積極的な展開を考慮するという。その他の地域でも、“先が見込めない欧州”の代替市場として、インド、そして既にフィアット車の人気が高いブラジルを基点として南米を攻めたいところだ。

 またフィアットはインドで、スズキにディーゼルターボエンジンを供給している。このディーゼルエンジン供給を継続するかしないかで、スズキとVWの関係がこじれたという憶測が自動車業界内に飛び交っている。このような流れのなか、フィアットとしては現時点でスズキも提携先候補となるのは当然だ。

 またマツダとの関係については、フィアットとの明確な接点がまだ見えてこない。こうした欧州発の各種情報を精査するために、筆者は本稿が掲載される頃、スイスのジュネーブモーターショーでフィアット等のイタリア系メーカーを中心として、欧州メーカーに関する取材を進めるつもりだ。

“動かざるを得なかった”GM
きっかけはフォード?

 次に、フォードだ。同社は長年、欧州フォード、北米フォードという2つのブランド戦略を進めてきた。2ブランドでのモデルに横のつながりは弱く、欧州フォードはVWやルノーと同格の欧州車だった。欧州フォードはドイツを基点に、欧州各地で“アメ車の匂いを消した”欧州車として認知されてきた。