図1は、日本と他のG7諸国の労働力人口と一人当たり平均労働時間の推移を辿ったものだ。

 他のG7諸国では今でも労働人口が増加しているが、増加率は低下している。労働時間は、日本でも他のG7諸国でも減少している。一国の労働投入量は労働人口×平均労働時間なので、これらは二重にGDPを引き下げる効果を持つ。

◆図表1:G7の労働力人口と労働時間の推移

(注)左パネルの「日本以外のG7」は各国の各年の対前年増減率の単純平均値をもとに指数化した値。右パネルの「日本以外のG7」はイタリアをのぞく5ヵ国の単純平均値。いずれも1991年の東西ドイツ統合の影響を調整した。年間労働時間は被雇用者の平均値。
(出所)OECD, Labor Force Statisticsをもとに筆者集計
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 しかし豊かになった国の国民が労働時間を減らして余暇の充実を望むのは当然で、そのことが問題だとは言えない。

「長期停滞」を議論する際に注目すべきなのは、実質GDPの成長率ではなく、実質GDPを総労働時間で割った労働生産性の成長率だ。

 先進国では程度の差はあれ労働生産性が低下傾向にあるが、これは最近になって始まったこといではなく、過去半世紀間、ずっと続いていることだ。

 なお、こうした中で日本の労働生産性の上昇率は、G7の中では過去も現在もトップクラスだ。