そんなことを思っている前に、

「お・い・し・い!」

 と下の子の手があげる。

 続いて上の子も!

 なんだこの光景は!

 いつもの朝は、眠くて機嫌が悪い。
 なのに、「お」「い」「し」「い」と、子どもたちは腹の底から叫んでいる!

「そうだろうよ、これは大人が食べてもうまいんだ。
 小学生のおまえらがめったに食べられるもんじゃない」

 と内心つぶやきながらも、なにかとてもうれしい。

 そんなこともつゆ知らず、子どもたちは一杯目を平らげ、自分から踏み台に乗っておかわりしている。

 こうして、子どもたちの勢いに圧倒され、「かぼちゃのスープ」が大好きな私や妻の分は、跡形もなく消えた。