いま、Gさんの手元には10万円のお金があります。これから10年はこの10万円に手をつける予定はありませんでしたが、元本を割り込むのは嫌なので、銀行預金に入れることにしました。当然ながら10年後に手元に残るのは、10万円(とわずかな利息)です。

同じように10万円を持っていたHさんは、少しだけリスクを取って投資を行うことにしました。1年目でいきなり元本割れしましたが、そのまま持ち続けたところ、2年目、3年目で持ち直しています。その後、2回ほど前年度割れをする年があったようですが、全体としては好調だったようで、10年後に口座を開けたら13万円弱になっていました。

また、Iさんは、「どうせ使わない10万円だから」ということで、より多くのリスクを取りました。その間に何度か前年度割れを起こしたようですが、「そういえば10年前のあの10万円はどうなったっけ?」と思い出して口座を見てみると、なんと14.5万円に増えていました。Hさんと同様、おおむね順調に資産を増やした格好です。

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HさんとIさんは、お金を預けた先が銀行“以外”だったというだけで、そのあとに「何もしていない」という点ではGさんと変わりありません。

このとき、みなさんがGさんだったら、どんな気持ちになるでしょうか?
「得した」と思う人はまずいないはずですが、「損」はどうでしょうか?
「何回か減ることはあっても、最終的に持ち直してなんとかなるなら、運用に回しておけばよかった」とそんな気持ちが心の中に生まれないでしょうか?