ビール価格はインフレに
向かっている気配も…

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 今回は、どの業種でビールを買うのが最も安いか、という比較をしたかったのだが、結果としてスーパーとドラッグストアで大きな差は見られなかった。

 最も最安値のスコアが多かったのは、大手流通のイオン。横綱級のスケールメリットで押し切ったというところだろうか。なお、スーパードライは特売の目玉商品にしやすいらしく、ドラッグストア3社(ツルハドラッグ、ココカラファイン、ドラッグストアクリエイト)が、イオンを除くスーパーよりも安値がついた。特売のチラシが入って来たら、しっかり価格比較をしてから買いに行ったほうがいい。

 さて、この比較をしていて、気づいたことがある。ビールの価格はやはりインフレ気味ということだ。2017年の12月と2018年の3月に、同じスーパーで「スーパードライ」の価格を比較してみたところ、こうなった(同じ販売店での比較なので、先の最安値とは異なる)。

 2017年12月 350mL:188円 500mL:250円
               ↓
 2018年  3月 350mL:194円 500mL:254円

 およそ3ヵ月で、じわじわと上がっているのがわかる。3社のうち2社が、年末の価格より微増していた。運送コスト増がここでも響いているのだろうか。

 厳しいビール業界だが、今後は別の動きもある。酒税法の改正に伴い、2018年4月からビールの麦芽比率は67%以上から50%以上に引き下げられるのに加え、使用できる副原料の幅が広がる。これまで認められてきた麦、コメ、トウモロコシなどに加え、果実及び香味料が追加されることになるのだ。

 これを受けてビール各社は新たなフレーバーを加えた新商品の投入を予定している。将来的にはビール系飲料にかかる酒税の一本化も予定されており、ビールは減税、発泡酒・第三のビールは増税になる見通しだ。それにより、ビールだけは売価も引き下げられるのではないかと期待されている。

「とりあえずビール」の声が宴席から減りつつあるのは、ビール党には何とも寂しい流れだ。メーカーも販売者も苦労はいろいろあると思うが、美味しいビールを気兼ねなく飲める平和な1年が続いてほしいと願うばかりだ。

(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)