理屈より行動あるのみ

「もう1つは何やと思う?」

試されているようでなんか圧力を感じた。

考えているうちに立三さんは言った。

「あのな、師弟関係を結ばせた行動力や。そんな行動力はめったにない。世の中、理屈を言う頭のええヤツだらけや。でも、君はホンマにやる。逃げない。それができるヤツは滅多におらん」

「言われてみれば、そんな気がします」

「その強みをフルに活かすしかない。そしたら、『ザンギリ』を繁盛させる突破口が必ず見えてくる」

実際には何も進んでいない。

お客さんが増えたわけでもない。

しかし、立三さんの言葉を聞いているとできそうな気がするから不思議だった。

「でな、そんな君が何もせんかったとは考えにくい。何をやってみたか、正直に話してみ。そこから考えよか」

「はい」