別れ話をこじらせる「10大勘違い」、妻の逆鱗に触れ泥沼にハマる男たち(上)「妻と離婚したいのになかなかできない」と悩む夫の多くは、離婚の話し合いにおいて大きな勘違いをしていることが多い。どこに問題があるのだろうか(写真はイメージです)

本当はもっと早く別れられたはずなのに――。離婚相談に訪れる男性の話を聞くと、そう感じることが多いです。「妻と離婚したいのになかなかできない」と悩む夫の多くは、離婚の話し合いにおいて大きな勘違いをしているもの。どこに問題があるのでしょうか。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

もっとスムーズに行くはず?
離婚したくてもできない夫の共通点

 突然ですが、質問です。1年で一番離婚が多いのは、どの月でしょうか。今まで1万件を超える離婚相談を受け持ってきた私の経験則によると、それは「3月」。

 たとえば、夫婦の間に未成年の子どもがいて、妻が子どもを引き取る場合、妻が夫に対して恨みを抱いていると「旦那の苗字を使うのは虫唾が走るわ!」という感じで旧姓に戻るのですが、同時に子どもにも旧姓を名乗らせることが圧倒的に多いです。

 もし、中途半端な月に離婚が成立し、同じ地域、同じ学校、そして同じ塾に通い続けたらどうなるでしょうか。学校の同級生や習い事の仲間、そして近所の友達に「なんで上の名前が変わったの?」と怪しまれ、早々に離婚の事実が発覚します。そうなると差別や偏見の対象となり、いじめに遭う可能性もあります。

 一方で3月に離婚し、4月の新学期から新しい地域に転居し、新しい学校に転校し、新しい塾に通い始めれば、始めから「旧姓」なので、離婚の事実を知られる可能性は低くなります。こうして新しい気持ちで再出発することができるので「3月の離婚」が最も多いのです。

「本当はもっと早く離婚できたはずなのに」

 私のところへ相談に来る前に離婚の話し合いで失敗を重ね、いまだに妻を説得できず、離婚が遅れに遅れている男性(夫)を見るたび、そんなふうにため息をつきます。「離婚しよう!」と覚悟を決めたら、できるだけ早く片を付けたいところです。

 たとえば、金のためなら手段を選ばない守銭奴ぶり、正論を言われると逆上して相手を屈服させないと気が済まないヒステリー癖、世間の常識と自分の価値観がズレていることを認めない自己中思考――。そんな妻と延々と離婚の話し合いを続けるのは苦痛でしかないでしょう。苦しいから離婚したいのに、離婚するために苦しむようでは本末転倒です。離婚のタイミングを年度末に合わせたのならともかく、「離婚の話がまとまらず、ずるずると長引き、いよいよ年度末になってしまった」というような人には、次のような特徴が当てはまるのではないでしょうか。