家族同然のペットの
急病はどうする?
(撮影/佐久間ナオヒト)
Bさん 家族同然のペットが急病で倒れたら、遅刻は仕方がないですよね?
岩瀬さん ペットが家族同然だという気持ちは理解できます。報告すべき上司がペットをかわいがっている人であればあなたの気持ちを理解してくれるでしょうが、ペットを飼っていなければその感覚は共有できないかもしれません。まずは、ペットを飼っていない人の立場になって考えてみましょう。「家族同然のペットが病気なのだから、看病のため会社に遅れて当然」という自分の価値観を相手に押しつけてはいけませんね。
Bさん やはり相手視点で考えることが大事なのですね。
最後にもうひとつだけ、よろしいでしょうか?
正直、電車の遅れを見越して家を早く出るのはつらいんですけど……。
岩瀬さん ご両親の介護など避けられない理由でもなければ、社会人になったあなたが住むところは、ある程度、自分で選べるはずです。早起きが苦手であれば、会社から近いところに引っ越す、満員電車がつらいのであれば各駅停車しか止まらない駅や終点の駅の近くに住むなど、自分なりにできることがあると思いますので、検討してみてもいいでしょう。仮に交通の便の悪いところに住んでいても、質の高い仕事をしなければならないことに変わりはないのですから。
Bさん なるほど、あえて各駅停車で座って出社するなど、朝や満員電車が苦手でも、工夫はできそうな気がします。
※『入社1年目の教科書』の50のルール1「何があっても遅刻はするな」で、万一遅刻をしてしまったときの対処法がわかりました。
次回は、朝のあいさつはどうすればいいのか、新入社員が岩瀬さんに質問します。お楽しみに。(2018年4月4日更新予定)
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長。
1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年、東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。
世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)、『ハーバードMBA留学記―資本主義の士官学校にて』(日経BP社)、『生命保険のカラクリ』『がん保険のカラクリ』(文春新書)、『ネットで生保を売ろう!』(文藝春秋)など多数。