仕事のできる人は
誘い上手
Bさん 自分から上司を飲みに誘うのは、礼儀として正しいのでしょうか?
岩瀬さん 正しい正しくないではなく、素直に上司の方は嬉しいと思いますよ。部下に誘われて嫌な人はいないんじゃないですか。誘ってもらえるだけで、上司は無条件で嬉しいはずです。
でも、上手な誘い方は、おそらく1対1ではなくて、何人かで、「みんなで話を聞かせてください」とお誘いするのがいいんじゃないかなと思います。
Bさん その際の、伝え方のコツはありますでしょうか?
岩瀬さん やっぱり人間って頼られるのが好きなので、「教えてください」とか、「助けてください」とか、「アドバイスください」とか。ストレートにお誘いするのがいいと思います。
あとは時間軸だけですね。気をつけたいポイントは。
Bさん 時間軸、ですか?
岩瀬さん 職位が上になればなるほど忙しいはずなので、スケジュールに余裕を持って誘うのがいいと思います。「今晩どうですか?」ではなく、たとえば「来月いかがでしょうか」とか。
ちなみに、社長同士の会食は、次の約束は3ヵ月とか半年先なんていうのは頻繁にあります。
いずれにしても、飲みの場でどれだけ仲良くなったと思っても、適度に距離をとって、礼儀をわきまえて接するということが大切ですね。
Bさん なるほど、『入社1年目の教科書』の50ルールの34に「相手との距離感を誤るな」というのがありましたが、サシ飲みの翌日にもそれが当てはまるのですね。気をつけて行動したいと思います。
※『入社1年目の教科書』の50ルール、気になる人はぜひチェックしてみてください。
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長。
1976年埼玉県生まれ、幼少期を英国で過ごす。1998年、東京大学法学部を卒業後、ボストン コンサルティング グループ等を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で修了(ベイカー・スカラー)。2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。
世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
著書は『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』(ダイヤモンド社)、『ハーバードMBA留学記―資本主義の士官学校にて』(日経BP社)、『生命保険のカラクリ』『がん保険のカラクリ』(文春新書)、『ネットで生保を売ろう!』(文藝春秋)など多数。