飲み会での「関係性」を
職場に持ち込まない
(撮影/佐久間ナオヒト)
岩瀬さん 飲みに連れていってもらい、かなり盛り上がって意気投合したのに、翌朝出勤したら、上司はいつものクールな表情。これ、実にありがちな話です。
Bさん どうしてなんですか? 照れくさいとかですか?
岩瀬さん 一言で言ってしまえば、上司は「えこひいき感を出したくない」のです。
昨晩は2人だったんですよね。同じ部署やフロアーに、同期の方はいますか?
Bさん はい、フロアーには3人、同じ部署には1人います。
岩瀬さん それですね。全員いた飲み会であれば問題ありませんが、上司というのは「みんなと等距離」というのが原則です。特定の人だけかわいがっているとか、誰かをえこひいきしているように見られるというのは、上司としては避けたいことなのです。しかも、Bさんはごちそうになったんですよね。
Bさん ええ、だからお礼を言いに…。あっ、それがマズかったのですね!
岩瀬さん 上司の方としては、そこを配慮したいということではないでしょうか。
Bさん となると、お礼を言いに行くのがNGだったのでしょうか。ごちそうしてもらったら、どのタイミングでお礼に行くのが正解ですか?
岩瀬さん みんなに聞こえないところで、お礼をしたほうがいいかもしれません。朝まだ人がいないときにお礼を言うとか。
あと、もうひとつ、気をつけたいポイントがあります。
Bさん 何かほかにマズイところありますか?
岩瀬さん お酒の席は、酔いもあって、上司の方が、ややサービス精神旺盛だったということもあるかもしれません。そこで、職場では適度な緊張感を保つために、クールな対応だったのかもしれませんよ。
Bさん 親しき仲にも礼儀あり、ということでしょうか。
岩瀬さん むしろ、親しくなればなるほど、職場ではプロフェッショナルな関係でいたいものです。
で、また飲みに行ったら、再び仲良くなる。そのほうがいい関係になれそうな気がします。
Bさん そこは友達とは違うんですね。勘違いしていました…。
岩瀬さん いい気づきですね。飲みの席で盛り上がっても、友達ではありません。
やっぱり仕事での距離感は、こっちは少し遠目にとっておくほうがいいです。