正解は……
三浦さん「働くシングルマザーです。母に『いま、あなたが倒れたら、子どもはどうなるの?』と言われて……保険を考えています」でした。

シングルマザーとしてお子さんを養っている彼女が亡くなったら、(預金が莫大にあったりしない限りは)お子さんの生活はままなりません。ひょっとするとお子さんは、ご両親とか親戚に引き取られるかもしれませんが、それでも生活費や学費などが必要です。三浦さん亡きあとのお子さんの人生をしっかりと守るために、彼女は死亡保障がしっかりついた生命保険に入るべきです。

一方、ほかの方々がおっしゃっている理由は、少しばかり疑問が残るものばかりです。

一木さん「新社会人になって給料も入るようになりました。責任ある社会人として生命保険に入っておきたいと思います」
「保険に加入=社会人の責任」という実直な考えの持ち主だということは伝わってきますが、保険は感情的な理由で入るものではありません。「社会人になったら、収入の○%を保険料にあてましょう」という俗説もあるようですが、保険に加入する“責任”などありません。まだ独身で、ご両親が一木さんに経済的に頼っているわけでもなければ、彼の給料が入らなくて困る人はいませんから、保険に加入する必要はないでしょう。

二宮さん「独身で一人暮らしです。しばらくは仕事をがんばりたいし、いざというときは誰にも頼れないから、保険に入ろうかな……」
これも一木さんと同じパターンです。独身ということで、ご本人も経済的に自立しているようですし、経済的に彼女に依存している人がいるわけでもありません。死んだら誰かに頼る必要もないわけで、生命保険を買う余裕があるなら、そのお金はすべて老後の資産形成にあてるのが正解です。

四谷さん「医療保険に入るべきか迷っています。でも少し大きな病気をすればすぐ元がとれるわけですから、やっぱり入ります」
「元がとれるかどうか」は保険選択の間違った基準です。そろそろ耳にタコができそうかもしれませんが、保険は万が一の大きな損失(預金だけでは歯が立たないような状況)に対処するためのものです。医療保険の払込分に収まる程度の医療費なら、預金口座に蓄えた緊急資金でなんとかするのが王道です。