「デフレ脱却」というスローガンの下、デフレとの戦いが約20年も続いてきたのには理由がある。政府が日本銀行に金融緩和を長く続けさせる思惑から、「デフレ脱却」の定義を厳しいものにしたからだ。この間、デフレでなくなった時期もあったのだが、デフレでなくなっても「デフレ脱却宣言」が出ない限り戦闘態勢が続くのでは、デフレとの戦いが長引くのは当然だ。
18年目に入った
デフレとの泥沼の戦い
日本では、2000年前後から物価の下落が続くようになり、2001年3月の政府の月例経済報告の資料に緩やかなデフレであるという分析が掲載され、翌4月には本文に「緩やかなデフレにある」という記述が現れた。
この時から戦いが始まったとすると、ちょうど18年目に入ったことになる。
もともとデフレとの戦いは泥沼状態となりやすい。
金融政策は物価を抑制する手段としては有効だが、デフレをインフレに持っていくのは容易ではないからだ。