文大統領の「前のめり政策」の成果は、北朝鮮を対話に引き出したことであるが、それ以上に重要なのは、北朝鮮が米国の行動を真に恐れており、それは何としても避けたいとの思いが強いことを証明したことだ。したがって、米国が強く出ても北朝鮮から、何か事を仕掛けることはない。

 だからこそ、トランプ大統領には、北朝鮮に妥協することがないよう、文大統領を説得してもらいたい。それができるのは、トランプ大統領だけである。

 そもそも、これまで北朝鮮ペースで物事が進んできたのは、日米韓の協力のベースがあいまいなまま、韓国が前のめりになって北朝鮮と交渉をしてきたからだ。したがって、今一度、原点に立ち返って、北朝鮮との交渉をやり直すべきだ。そのためにはまず、日米と韓国で考えの異なる「非核化」について調整すべきである。

米朝協議不調の際には
6ヵ国協議はないと中国に言うべき

 そして第二に、中国に対しては、米朝協議が不調となった場合には、6ヵ国協議という選択肢はないということを明確にすべきだ。

 米朝協議において、北朝鮮が朝鮮半島の非核化や、段階的非核化などを言い出した場合には、それ以上の対話はない、そして首脳会談の際により現実的な解決策を提示しなければ問題解決の道はない旨、北朝鮮に申し入れるよう伝えるべきである。

 中国は現在、米国との貿易問題を抱え、米国との立ち位置に腐心している。そこで、米国に恩を売るには、北朝鮮問題の解決に尽力することが不可欠であるというメッセージを伝えることも重要だ。そして、もし北朝鮮に加担するようなことがあれば、貿易問題は一層深刻になることを悟らせることが重要である。