その後、B課長は担当面接官に対して、念のため全員の面接時に賞罰があるか確認してほしい旨を伝えました。最終面接で賞罰を聞かれたYさんは、スピードの出し過ぎで転倒し、ガードレールに突っ込む自損事故で罰金刑となったことを告白したそうです。
卒業証書まで偽造して
学歴詐称する学生
トクチョー 「最後に、Zさんなのですが、学歴詐称の可能性があります」
B課長 「え!? 国立D大学の院卒予定の、あのZさんですか!?大学院の成績証明書も提出させています。本当ですか?」
トクチョー 「大学院の方ではなく、国立D大学商学部の方を卒業していない疑いがあります。実は、D大学の図書館に卒業生名簿があるですが、それを確認したところZさんの卒業年の前後3年間も含めて、Zさんの氏名がないことを確認しました。苗字が変わった可能性も考慮して調査しましたが、下の名前と一致する卒業生もいないことを確認しました」
学部の卒業について調査をするきっかけとなったのは、発見したZさんのFacebookアカウントのプロフィール欄に、小学校から高校までの卒業校と、D大学大学院に在籍中の学歴は記載されているものの、D大学商学部卒業の記載がなかったためでした。
トクチョー 「トクチョーでは、卒業証書のコピーを偽造した採用候補者の例に遭遇したこともあります。もしかするとZさんが提出した成績証明書も偽造されたものであるかもしれません」
B課長 「大学院卒業予定者の採用候補者からは、学部の卒業証明は提出させていないのです。まさか、卒業証書まで偽造できるとは知りませんでした。確かにコピーだと、偽造しやすいのかもしれませんね。Zさんの成績証明書については、大学院に確認してみようと思います」
Zさんが提出した大学院の成績証明書は本物でした。しかし、B課長は人事部長や人事担当役員と相談して、面接でD大学の学部時代のことを聞くことにしました。