たった一つの仕事が世界を変えることがある、と思いませんか?
例えば、ナイキのシューズは、走ることの意味を完全に変えました。ソニーのウォークマンは音楽の位置づけを完全に変えました。フェイスブックは、グーテンベルクの印刷機、ベルの電話の発明に匹敵するコミュニケーションの革命かもしれません。
音楽の世界では、ビートルズはたった13枚のアルバムで20世紀の音楽に革命をもたらしました。ブルーノート社の1500番台のレコードは、ジャズの輝きを世界に解き放ちました。グレン・グールドはバッハの「ゴールドベルク変奏曲」一枚でピアノ演奏を革新しました。
一つの時代には固有の匂いがある、と思いませんか?
例えば、1990年代。
冷戦が終わりソ連が崩壊して、東西ドイツが統一しました。人々は平和の配当を期待しましたが、世界は不完全なまま中東などでは戦争が続きました。共産主義が資本主義の軍門に下った時、新しい秩序が生まれると人々は期待しましたが、実際に起こったことは、国際的な拝金主義の横行でした。過剰な期待が裏切られた時代と言えるかもしれません。
しかし、そんな状況でも、恐るべき子供たちが新しい波を生むこともあります。
と、いうことで今週の音盤は、ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」です(写真)。