ロボット型のアバターを介して友人との音楽共有を愉しむ『Beatrobo』。友人のロボットがステージに上がると、Youtubeの動画が再生される。

 日本にもようやく「Facebook元年」が訪れたとされる2011年。ソーシャルメディアの台頭が、私たちのライフスタイルを大きく変えようとしていると感じた読者も多いことだろう。

 その変化を最もわかりやすい形で見せてくれるのが、「音楽」を取り巻く状況だ。米国ではすでにAppleの「iCloud」や「Google Music」といったクラウド音楽サービスを筆頭に、“いつでもどこでも”好きな楽曲を愉しむことができる環境が整いつつある。Facebookもソーシャルアプリを使った音楽共有サービスに力を入れており、こちらは日本でも(十分とは言えないものの)利用することができる。

「CD売上の減少」「音楽離れ」といった言葉を耳にする昨今だが、少なくともネット上には音楽が溢れている。また、自分の好きなアーティストや楽曲を仲間と共有したいと考える人も増えていると言えるだろう。実際に日本においても、誰もが楽曲を投稿・シェアできる「OKMusic」や、ユーザー同士でお勧めの楽曲を教え合う「musilow」(ミュージロー)といったサービスも登場している。

 だが一方で、「音楽を聴くこと自体は嫌いではないが、未知の楽曲を探すことにパワーをかけるのは億劫だ」と感じている向きも多いに違いない。膨大な音楽の海の中から、自分好みの楽曲を見つけ出すのは、案外と骨の折れるものである。

 昨年末リリースされた「Beatrobo」は、そんなライトユーザー向けに開発されたソーシャル音楽サービスだ。その名の通り、可愛らしいロボット型のアバターを介して、友人たちと音楽を共有することができる。

「Beatrobo」の一番の特徴は“敷居の低さ”にある。最低限、必要となるのはFacebookアカウントのみ。友人の招待機能なども実装されているが、必ずしも友人が「Beatrobo」にログインしている必要はない。楽曲のプレイリスト自体は、「Beatrobo」が自動生成してくれるからだ(もちろん、ユーザーによる編集も可能)。

「音楽を一緒に聴く行為は、本来、リアルタイムでしか行なえません。ですが、それでは時間を取られる上に効率が悪い。そこで、ユーザー同士の共有を時間差で成立できるようにしたいと考えたわけです」(Beatrobo CEO 浅枝大志氏)

 ソーシャルサービスと言えば、「リアルタイムの交流」と思いがちである。だが実際に使ってみると、「友達がいない」「お互いの時間が合わない」といったことが多々ある。一方「Beatrobo」の場合、あえて自動化、非同期化を取り入れることで、こうしたユーザーの不満を解消するものとなっている。

 友人の時間を煩わさなくともよいというのは、思った以上に心理的な負担を軽減してくれるものである。それでいて、友人のお勧めの楽曲を教えてもらうことができる。この点が、「Beatrobo」の秀逸なところだ。

「本当のローンチはモバイル版」(同氏)ということで、これによって、ヘビーユーザー以外の一般の人たちへの普及を目指すという。さらに今後は、バーチャルアイテムやアーティストによる広告、著名人セレクトによるプレイリストの購読といった展開も予定しているとのことだ。「音楽」という世界共通のコンテンツへ挑む日本製ロボットたちの活躍に期待したい。

(中島 駆/5時から作家塾(R)