上司は“指針”であれ

政(まつりごと)を為すに徳を以てするは、譬(たと)えば北辰の其(そ)の所に居て、衆星の之(これ)に共するが如し。

北極星を中心に星々が回るように、組織にあっては「長」のつく役職にある者が部下たちの精神的支柱にならなければいけない。(為政第二/17)

「東洋のリーダーシップ」とは、と問われて、よく示すのが上の言葉だ。白馬にまたがり、「俺についてこい」と先頭を切っていくのが、西洋のリーダーシップ。これに対し、どっかと座って、身動き一つなく見守り続けるリーダー。安心の象徴だ。その姿はまるで「北辰」、つまり北極星のよう。これが東洋流の大将の在り方だ。

 北極星は不動の星である。旅人が北極星を目印に道を行くように、組織の長たる人間は部下たちの指針であらねばならないと、孔子はいう。部下が悩んだり、迷ったりしたときに「どうか指針を示してください」と慕う存在、それが上司なのである。そうなるために必要なのが「徳」―自己の最善を他者に尽くし切ることだ。そんな利他の精神を持った上司は、間違いなく部下に慕われる。