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自社の人材力を業界内で比較
タレントマネジメントは新時代へ

末岡洋子
【第172回】 2018年4月18日
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自社の人材の強みと弱みを
データから把握する

 これまでSaaS中心で展開してきた同社だが、2017年はPaaS「Workday Cloud Platform」と大きな一歩を踏み出した。Workday Cloud Platformは顧客企業や外部企業がWorkdayの人事データなどを活用したり、拡張するサービスを構築できるサービス。Salesforce.comのForce.comのような位置付けとなる。

 分析では、上記のWorkday Prism Analytics、それにデータ・アズ・ア・サービス「Workday Benchmarking」も発表した。Prism Analyticsが様々なデータを使って自社を“ズームイン”して分析するのに対し、データ・アズ・ア・サービス「Workday Benchmarking」は“ズームアウト”して客観的に見ることができるサービスだ。

 Benchmarkingという名称の通り、参加企業の人事に関するデータからベンチマークを作成できる。参加企業は同業他社、あるいは同じような規模の企業と自社のパフォーマンスを比較できるようになる。「自社の強みと弱みを客観的に俯瞰できる」とWorkdayは説明している。

 企業はオプトインによりBenchmarkingに参加し、どのデータを提供するかを選択、データは匿名で共有される。2017年10月の発表時は1ヵ月で100社がオプトインしたとしていたが、その後の参加企業数は公開していない。Stankey氏によると、今後、報酬、スキルなど外部のデータを取り込む可能性もあるといい、同じスキルを持ち、同じような年齢層の社員の報酬が業界の平均に対して多いか、少ないかなどのことがわかるようになるという。

人材データの把握は
社員の働きがい向上につながる

 人事のIT化により、戦略と連携させることが可能になる。今後はAIにより業務の自動化やより良い意思決定も進みそうだ。これまでのように直感頼みではなくなっていくが、将来の人事部はどうなるのか? Stankey氏に聞いたところ、「現在の人事における管理作業のほとんどがシステムにより実行可能だ。今後自動化されていく」と答えた。

 「人事担当者は面倒な作業から解放され、今後は収集したデータを上手に活用することが必要となる。人事に関する意思決定がより高速になり、より良いものになり、適材適所をさらに追求できる」とStankey氏、「従業員の潜在性を最大化できれば、従業員はストレスが減って幸福度が上がり、離職を減らすことができるだろう。全体の生産性改善にもつながるはずだ」と続けた。

 日本市場を統括することになったWells氏はまず営業、それにコンサルやマーケティングなど全ての部署で人員を増やすという。「Workdayの認知は必ずしも高くはなく、我々の技術を多くの企業に知ってほしい」とWells氏、まだ日本では正式提供されていない会計・財務管理サービスの「Financial Management」については税法など日本市場対応を進めているところで、年内にも日本で実装が始まると予想した。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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