「節約してるのになかなかお金が貯まらない……」「老後の資金づくり? 何もやれていないんだけど……」「資産運用の情報が多すぎて、何から手をつければいいのか……」そんな家計の悩みをお持ちの人も多いのでは? ずぼらな人でも簡単にできる「家計システムのつくり方」を解説した、ロサンゼルス在住のFP主婦・岩崎淳子氏の最新刊『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』より、内容を一部抜粋してお届けする。
“賢明な小心者”のための「リスク低減の王道」
前回は、家計の資産形成の力を最大化する方法として、インデックス投資信託(インデックス投信)が非常に有力であるという話をしました。
インデックス投信の利点はいくつかありますが、何よりのポイントは、その市場のなかで「最も小さなリスク」だけを取りつつ、そのリスクの範囲内では「最も大きな利回り」を確保できることです。
個々の株式には価格の上下があり、保有には一定のリスクがあります。しかし、市場にあるすべての株をまるごと買ってしまうインデックス投信では、リスクをきわめて小さくしながら、利回りもある程度は大きく維持できることがわかっているのです。
しかもこれは、過去にはノーベル賞も受賞しているファイナンス理論(現代ポートフォリオ理論)に基づいた標準的な考え方です。潤沢な資金があるお金持ちや金融機関であれば、大きなリスクを取る余裕もあるかもしれませんが、自分たちが生活していくだけのお金があれば十分な、ふつうの家計は、こうした“スタンダード”を踏まえて動くべきです。