「いいえ、そんなことはありませんよ!」という答えを期待している方はごめんなさい。
答えは「はい、そのとおり! 大きな下落を見ることは必ずあります」です。ご指摘のとおり、個別株リスクを排除しても、市場リスクは残ります。
たしかに、個別株ほどではないにしろ、市場全体が大きく落ち込む可能性はつねに残りますし、メディアの報道などとも相まってパニックが広がれば、売りが殺到して暴落することもあります。市場リスクは価格上昇の可能性も含んでいますから、下がったと思ったら今度はいきなり上がり出すことだってあるでしょう。
次に上がるか下がるか予測できないデタラメさ(ランダムウォーク)こそが、株価のいちばんの特徴です。日経平均やNYダウといったインデックスでも、この点は変わりません。明日の数字がどうなるかは、誰にもわからないのです。
では、この市場リスクはまったくどうにもならないのでしょうか?
じつは、株価のクレージーなランダムウォークは、インデックス投信を長期的に(少なくとも10年以上)保有する人にとっては、それほど恐ろしいものではありません。
なぜなら、市場には平均回帰という性質があるからです。短期的に見れば、市場には必ず予測不可能な価格の騰落がありますが、それは時間軸を広く取れば取るほど、長期的には平均値に戻っていき、大きなトレンドへと立ち戻っていきます。