実ビジネスの世界では、トレンドの大きな移り変わりがありますから、個別株に関しては、一度価格が下落したまま元どおりにならないケースは少なくないでしょう。しかし、市場平均に投資するインデックス投信では、トレンドはそう簡単には変わりません。
過去のマイナス局面は「すべて消去」できる
例として、次のグラフをご覧ください。こちらは、S&P500というアメリカの株価インデックスの年間利回りの推移(1928~2015年)です。
最高利回りは1954年の52.56%、最低利回りは1931年のマイナス43.84%、まさに天国と地獄ですね。
とはいえ、その2年が超例外的ケースかというとそうでもなく、30~40%という利回りが出ている年はちらほらありますし、逆に2ケタの暴落も決して少なくありません。
まずここで確認していただきたいのは、数年のあいだで「だんだん」とか「徐々に」という傾向が見られないことです。明白なルールがないまま、気まぐれにピョンピョンとジャンプしている、まさにランダムウォークが特徴です。
「前年がよかったから次の年もいいだろう」とか「そろそろ下落局面が来る」などという予想ができなさそうだということはおわかりいただけるのではないでしょうか。
多くの人はどうしても、このグラフの「マイナス局面」が気になるはずです。そんな人のために、ここからマイナスを消してご覧に入れましょう。