金融業界に
急速に普及するフィンテック

 実際にフィンテック企業の取り組みを見ると、私たちが知っている銀行にはないダイナミズムがある。そうした新しい動きに可能性を感じる、ある種の“夢”を抱く若者は多いはずだ。

 特に、中国のITテクノロジーの進化はすさまじい。

 IT先端企業が銀行をはじめとする金融業界が提供してきたサービスの一部を取り込み、より便利なかたちで日々の暮らしに不可欠なサービスが提供されている。従来よりも便利なモノ、サービスは人気を集め、収益を獲得できるということは重要だ。

 例えば、中国のIT大手“アリババ”傘下の“アントフィナンシャル”が手掛ける“芝麻(ゴマ)信用”は、個人の信用力を点数化するアプリだ。このアプリはモバイル決済サービスであるアリペイの付随機能として提供されている。

 ゴマ信用の特徴は、“3・1・0”だ。審査に3分、融資判断に1秒、人手はかからない(信用力を評価する担当者が不要)ということである。背後にはビッグデータを用いた信用評価がある。さらにすごいのは、この信用スコア(350~950点)の水準が、その人の信用力だけでなく、社会的な信用度さえも左右するほどの威力を持つことだ。

 まさに個人の格付けだ。

 一般的には600~649点であれば、「信用に足る人物」とみなされるそうだ。借入金の返済が遅れるとスコアが低下し、社会的な信用の低下に直結する。ゴマ信用はより良い行動を人々に意識づけているとの見方もできる。